インターネットラジオとは、インターネットプロトコルを通じて、主として音声で番組を配信する、インターネットのコンテンツの一形態です。単にネットラジオ、ウェブラジオ、ネトラジ、IRともいいます。ラジオと称してはいるが、電波ではなくインターネット上にて配信されるため、パソコン等を利用し聴取します。
インターネットラジオ 概説
主として以下の2つの形態があります。
前者については、日本のNHKは国際放送チャンネル「ラジオJAPAN」と一部のニュース録音を除いて現在このサービスを提供していませんが、諸外国の多くの国公立および民間の放送局ではインターネットラジオを配信しています。一定速度以上の転送速度を持つインターネットへの接続が可能な通信環境があれば、あとは再生に必要なのはパソコンないしインターネットラジオ再生端末のみで、世界中どこでも聴取が可能となります。 番組の内容は、ニュースや文化番組の他に音楽、特にクラシック音楽のオペラや演奏会の生放送を目当てに諸外国のラジオ放送を聴くリスナーは多いです。一部の国を除けば世界各国のインターネットラジオ局が存在し、利用できるため語学学習としても有効な手段となっています。一部の放送局では、番組放送終了後も各番組単位でその録音ファイルを数週間などの一定期間ウェブサイト上にアップロードしており、その期間内であればいつでも再聴取が可能です。このことをオンデマンドと言います。 後者については、ミニFM局よりさらに小規模の設備により個人規模で開局でき、また全世界あてに情報を発信できるのです。自分でウェブサーバーを用意する方法の他、ストリーミングサーバーを一般に公開しているウェブサイト、あるいは音声ファイルを置くことができるレンタルサーバー等を利用すれば、多くの場合において必要なソフトウェアは無償提供されているものが利用できることから、マイク一本で開局できます。 なお、インターネットラジオ局開設は一般のラジオ放送局開設とは異なり、電波を使用しないので電波法に基づく放送免許は不要で、ウェブサイトを公開する要領で、誰でも実施することができ、2000年代には既に日本国内でも現役高校生が趣味で開設したネットラジオ番組があったほどです。 近年ではポッドキャスティング方式による放送が注目され、大手放送局も参入し始めています。関連し、ネットラジオ局にターゲットを絞った簡易検索エンジンオープンラジオディレクトリがありますが、その一方でWindows Media Playerなどプレーヤーソフトウェアには標準でネットラジオ利用機能が搭載されており、検索から実際の音声再生までが一つのソフトウェアで可能です。この他、ネットラジオに特化したソフトウェアもみられます。 また近年では、配信終了後にラジオCDにまとめて収録され発売されることもあります。主に、日本のアニメ・ゲーム・声優系の番組(アニラジ)で多いです。
権利処理の問題点
音楽を放送する場合には、主に著作権法による規制の下に置かれます。日本においての音楽については、法整備の遅れがあります。例えば、インターネットラジオは放送ではなく通信とみなされています。 放送の場合は、不特定多数に向けて一斉に流されるため、厳密な利用者数の特定は不可能であります。そのため、利用者数に関係なく、決められた著作権料を支払うことになるので、事前に、制作費に著作権料を織り込むことが可能です。 それに対して、通信の場合は、利用者の人数が歴然としているため、能動的に接続した利用者数に応じて著作権料が変動します。利用者数の予測が出来ない場合、事前に制作費に著作権料を織り込むことは難しく、人気のある番組ほど後から多額の著作権料が請求される仕組みになっているのです。また音楽にかかわるレコード会社、著作権管理団体等の権利関係の複雑さがあります。放送では環境が整備されたため簡潔に済む著作権者との交渉が、通信では、放送に比べて環境が未整備であるため、レコード会社・演奏者・作詞作曲者などと、個人が複数の窓口で交渉しなければならないといった煩雑さもあいまって、個人のインターネットラジオにおいては市販の音楽ソフトを流すことは不可能に近く、演奏、果ては曲の1フレーズでもない限り口ずさむことさえできない状態であるのです。(個人中心に著作権を無視した放送局が多数ありますが、監視などされる事がないインターネットラジオの性質上、法務処理を厳格に運用する事は困難です) これは、インターネットテレビでも同様であり、その面倒さから、ネット放送の番組制作スタッフは、なるべく著作権料が発生しないよう、慎重になっているのが現状です。そのため、インディーズアーティストとの関係を密にしているサイトもあり、時にはメジャーにまさるとも劣らない高品質な音楽を楽しむことができます。 近年、JASRACがJ-TAKTというオンライン上の窓口を通し、オンライン上で著作権(曲を流す権利)を許可する門戸を開き始めていますが、いまだに著作隣接権(特定のCDに収録された曲を流す権利)については個別に交渉する必要があり、より一層の環境整備が必要なのです。